我が家のバケツには稲が植わっている。今年の春に植えたもので、ムラサキイネといういわゆる古代米の一種である。湿地やボグガーデン(bog garden)でカラーリーフとして、また「古代米ですよ」という教育的なネタとして魅力的な植物素材だと思う。
春にブリキのバケツが余っていたので、エイッと勢いで植えてしまったもの。数株を密に植えたので競合して小ぶりになるかと思ったが、化成肥料が効き過ぎているようだ。今年の夏はほぼ毎日夕立のような雨が降ったので、機嫌良く立派(すぎるくらい)に生長している。それでも倒伏せずにシャキッとした立ち姿はたくましい。
8月末から出穂が始まり、先日開花していた。 イネの花粉は風で運ばれるため、そのような花を風媒花(ふうばいか)と呼ぶ。ちなみに、虫によって花粉が運ばれる花は、虫媒花(ちゅうばいか)である。
そして、イネの花のもう一つの特徴が自殖性(じしょくせい)。これは、自分の花粉で受精し、種子をつけることができる性質のこと。この性質があるため、‘コシヒカリ’や‘ミルキークイーン’といったイネの品種が種を播いても同じ遺伝形質を維持しているのである。
開花した花が実らせてくれるのが楽しみである。
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